住宅ローン シミュレーション【2026年版】|年収から借りられる額と、返せる額は1,400万円違った
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「年収600万円だと、住宅ローンはいくらまで借りられるのか」。この問いには答えが2つあります。銀行が貸してくれる上限と、老後まで資産が尽きずに返し切れる上限です。どちらも借入額の上限ですが、基準が違います。この記事では両方を計算して、その差を出しました。
- 年収600万円で審査上限まで借りると4,045万円。実際の利用者の平均は2,635万円で、差は1,410万円あります
- 上限まで借りた場合をシミュレーションすると、69歳で資産が尽きます(30歳・65歳退職・寿命95の前提)
- 95歳まで資産が尽きない借入額を年収別に計算すると、返済負担率は24〜30%に収まりました。審査上限の35%はどの年収帯でも届きません
- 利用者の実測平均22.8%は、その内側に入っています
金利や返済期間の基本は住宅ローンの基本と選び方にまとめています。この記事は金額の計算に絞ります。
年収から「借りられる額」は計算で出せる
審査の中心にあるのは総返済負担率です。年間の返済額合計が年収の何割にあたるかで、フラット35では基準が公表されています。
- 年収400万円未満 30%以下
- 年収400万円以上 35%以下
ここから逆算できます。金利3.83%(2026年10月のフラット35で最も多い金利)・35年・元利均等で計算した結果です。
| 年収 | 月返済の上限 | 借入可能額 |
|---|---|---|
| 400万円 | 116,667円 | 2,697万円 |
| 500万円 | 145,833円 | 3,371万円 |
| 600万円 | 175,000円 | 4,045万円 |
| 700万円 | 204,167円 | 4,719万円 |
| 800万円 | 233,333円 | 5,393万円 |
| 1,000万円 | 291,667円 | 6,742万円 |
この表は元利均等返済の逆算だけで出ています。電卓でも確かめられる数字です。
実際に借りている人は、年収の22.8%
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2025年度・35,553件)によると、平均総返済負担率は22.8%でした。前年度から0.4ポイント下がっています。
審査上限と並べます。
| 年収 | 審査上限 35% | 実測平均 22.8% | 差 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 2,697万円 | 1,757万円 | 940万円 |
| 600万円 | 4,045万円 | 2,635万円 | 1,410万円 |
| 800万円 | 5,393万円 | 3,513万円 | 1,880万円 |
| 1,000万円 | 6,742万円 | 4,392万円 | 2,350万円 |
上限まで借りると、何が起きるか
ここからはシミュレーターで計算します。前提はこうです。
- 30歳・夫婦共働き(収入は折半)・子なし
- 世帯年収600万円(額面)・65歳退職・想定寿命95歳
- 金利3.83%・35年・元利均等/頭金300万円・初期貯蓄1,074万円
- 運用利回り4%・物価上昇率2%
- 管理費・修繕積立金・固定資産税を別途計上
| 借り方 | 借入額 | 月返済 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 審査上限 35% | 4,045万円 | 175,000円 | 69歳で資産が尽きる |
| 30% | 3,467万円 | 150,000円 | 84歳で資産が尽きる |
| 25% | 2,889万円 | 125,000円 | 95歳でちょうど尽きる |
| 実測平均 22.8% | 2,635万円 | 114,000円 | 95歳時点で1,432万円が残る |
| 20% | 2,311万円 | 100,000円 | 95歳まで持続 |
審査に通る額と、返し切れる額は別物です。 上限の35%で借りると、退職から4年で資産が底をつきました。
理由は単純で、返済が終わるのが65歳だからです。30歳で35年ローンを組むと、返済期間と現役期間がほぼ重なります。その35年間、老後資金を積み立てる余力がどれだけ残るかで決まります。
年収別に「返せる上限」を計算した
ここまで「審査上限」と対比してきた、もう一方の上限です。「返せる上限」=95歳まで資産が尽きない範囲で借りられる、借入額の最大値と定義して、年収ごとに求めました。どちらも借入額の上限で、違うのは基準だけです。審査上限は年収に対する返済の割合だけを見ますが、こちらは老後までの家計全体を計算しています。
| 年収 | 返せる上限 | そのときの負担率 | 審査上限 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 400万円 | 2,322万円 | 30.1% | 2,697万円 | 375万円 |
| 500万円 | 2,777万円 | 28.8% | 3,371万円 | 594万円 |
| 600万円 | 2,936万円 | 25.4% | 4,045万円 | 1,109万円 |
| 700万円 | 3,214万円 | 23.8% | 4,719万円 | 1,505万円 |
| 800万円 | 3,865万円 | 25.1% | 5,393万円 | 1,528万円 |
| 1,000万円 | 5,252万円 | 27.3% | 6,742万円 | 1,490万円 |
負担率は23.8〜30.1%に収まりました。年収が上がっても35%には届きません。そして利用者の実測平均22.8%は、どの年収帯でもこの内側に入っています。
年収が高いほど差が開くのは、審査上限が年収に比例して伸びる一方で、生活費はそこまで比例して増えないためです。上限いっぱいで借りる余地が、高年収ほど大きく見えてしまいます。
この試算の前提と限界
- 教育費を入れていません。 子どもがいる世帯はこの試算より厳しくなります
- 生活費は家計調査2025年の消費性向(消費支出÷可処分所得)を年収で補間して出しました。元データは二人以上世帯(平均3.20人)です。子なし夫婦ならこれより低く、子が複数いればこれより高くなります
- 額面から手取りへの換算はアプリの概算値(一律78%)です。実際の手取り率は扶養や自治体で変わります
- 金利は全期間3.83%固定です。変動金利なら返済額そのものが動きます
- 年金は厚生年金に43年加入した場合で計算しています
数字そのものより、審査上限と返せる上限のあいだに1,000万円前後の幅があるという構造のほうが、どの前提でも変わらない部分です。
みらいコンパスで自分の数字を入れる
- ライフイベントの「住居計画」で持ち家を選びます
- 借入額・金利・返済期間・入居年を入れます
- 管理費・修繕積立金・固定資産税を繰り返し支出として別に登録します。ここを入れ忘れると持ち家が実際より良く出ます
- 住宅ローン控除の区分を選びます
- 借入額を変えて、資産が何歳まで持つかを見比べます
5番がこの記事でやったことです。入力の手順はみらいコンパスの使い方ガイドにまとめています。
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