住宅ローン 借り換えシミュレーション【2026年版】|金利を下げる借り換えが成立しない年の計算

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住宅ローン 借り換えシミュレーション【2026年版】|金利を下げる借り換えが成立しない年の計算

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この記事でわかること
  • 2026年10月は「金利を下げる借り換え」がほぼ成立しません。損益分岐は今の金利が約4.0%で、該当する人はほとんどいません
  • 変動1.30%→固定3.83%の借り換えは、月+38,366円・総額+1,229万円の上乗せになります
  • それが報われるのは変動が5年で約4.56%まで上がった場合。政策金利が3ポイント以上上がる計算です
  • 固定の月額155,549円は、変動が4.56%になったときの月額とほぼ同じ。借り換えとは、その世界の支払いを今日から始めることです
  • 事務手数料の型(定率2.2% / 定額)で61万円変わります
  • 変動金利・固定金利の違いと、借り換えの候補になる人の条件も整理しています
目次

結論:2026年10月は「金利を下げる借り換え」がほぼ成立しません

住宅ローンの借り換えシミュレーションは、銀行各社が用意しています。どれも「いくらおトクになるか」を計算してくれます。

ただ2026年10月は、その前提が崩れています。固定金利(フラット35)が3.83%と、現行制度で最も高い水準にあるためです。

残債3,000万円・残り25年で、フラット35(3.83%・諸費用78万円)へ借り換えた場合の試算です。

現在の金利 現状の総返済 借り換え後 差
0.4% 3,153万円 4,744万円 +1,591万円
0.8% 3,311万円 4,744万円 +1,433万円
1.3% 3,515万円 4,744万円 +1,229万円
2.0% 3,815万円 4,744万円 +930万円
4.0% 4,751万円 4,744万円 −6万円
5.0% 5,261万円 4,744万円 −517万円

損益分岐は、今の金利が約4.0%であること。 過去10年の住宅ローン金利は変動0.3〜0.8%、固定1.1〜2.1%で推移してきました。4%以上で借りている人はほとんどいません。

では今、借り換えを検討する意味はないのか。そうではありません。意味が「得をすること」から「変動リスクを止めること」に変わっています。 この記事では、その対価がいくらになるかを計算します。

銀行のシミュレーターが計算しないこと

「住宅ローン 借り換え シミュレーション」で検索すると、三菱UFJ・三井住友・SBI新生・JAバンク・全国銀行協会など、計算ツールが並びます。どれも正確です。

ただ、どれも「借り換えたらいくら減るか」を出す設計になっています。金利が上がった局面で「借り換えたらいくら増えるか、それは何に対する対価なのか」を出すツールは見当たりません。

検索結果の「関連する質問」も、判断に関わる内容が並びます。

  • 住宅ローン 借り換え いつがいい?
  • 住宅ローンの借り換えがめんどくさいのはなぜですか?

そもそも変動金利と固定金利は何が違うのか

借り換えの話に入る前に、ここを押さえておくと判断しやすくなります。

  変動金利 全期間固定金利
2026年10月の水準 1.12〜1.525% 3.83%(フラット35)
金利が上がったら 返済額が増える 変わらない
金利が下がったら 返済額が減る 変わらない
向いている人 金利が上がっても払える人 返済額を確定させたい人

変動が安いのは、金利が上がるリスクを借りる側が引き受けているからです。 固定が高いのは、そのリスクを銀行が引き受けているからです。現在の差2.5ポイント超は、そのリスクを誰が持つかの値段だと考えると分かりやすくなります。

変動金利には、急な負担増をやわらげる仕組みもあります。

  • 5年ルール:金利が上がっても、5年間は毎月の返済額を据え置く
  • 125%ルール:見直し時の返済額の上限は、それまでの1.25倍まで

ただしこれは返済額を据え置くだけで、利息が免除されるわけではありません。 据え置いた分は後ろに回り、未払利息として残ります。「5年は上がらないから安心」とは言い切れません。

借り換えを検討する理由は3つあります

ひとくちに借り換えといっても、目的が違います。

  目的 2026年10月の状況
① 金利を下げる 固定3.83%・変動1.3%が借換先の水準。今より低い金利に移れる人はほぼいません
② 変動から固定に変える 返済額を確定させる。得をするためではなく、リスクを手放すため
③ 期間や条件を変える 返済期間を延ばして月額を下げる、団信の保障を手厚くするなど

銀行のシミュレーターは①を前提に作られています。2026年10月に現実的なのは②です。 この記事は②を計算します。

借り換えの候補になるのはどんな人か

今の状況 検討の余地 理由
変動で借りていて、金利が上がると返済が苦しくなる あります(②) 返済額を確定できます
変動で借りていて、上がっても払える 小さい 後述のとおり対価が大きくなります
すでに固定(1〜2%台)で借りている ほとんどありません 今より低い固定金利がありません
4%以上の金利で借りている あります(①) 金利を下げられます
残債1,000万円未満・残り10年未満 諸費用負けしやすい 諸費用の比重が大きくなります
団信の審査に通らない健康状態 借り換えできません 金利より先に確認が必要です

自分がどれに当てはまるかで、この先の計算の読み方が変わります。

前提

項目 値
残債 3,000万円
残り返済期間 25年・元利均等
現在の金利(変動) 1.30%
借換先(固定) 3.83%
諸費用 78万円(定率型2.2%の場合)

金利の出所です。

  • 変動1.30%:2026年10月の引下げ適用後の表面金利は、イオン銀行1.120%、三菱UFJ銀行1.195%、みずほ銀行1.275%、三井住友銀行1.525%。その中位として置きました
  • 固定3.83%:住宅金融支援機構が2026年10月1日に公表したフラット35の「最も多い金利」(融資率9割以下・返済期間21〜35年)

諸費用の内訳です。

項目 金額
事務手数料(定率型2.2%) 66万円
印紙税(1,000万超〜5,000万以下) 2万円
登録免許税(抹消+設定) 3万円
司法書士報酬 7万円
合計 78万円

事務手数料は定率型2.2%が各行の標準です(auじぶん・住信SBI・PayPay・三菱UFJ・三井住友信託・りそななど)。定額型を選べる銀行もあり、そちらは4.4万円〜33万円です。 この差は後述します。

変動1.30%から固定3.83%へ。いくら上乗せになるか

  変動のまま 固定3.83%へ 差
毎月返済額 117,182円 155,549円 +38,366円
総返済額(諸費用込) 3,515万円 4,744万円 +1,229万円

変動金利が一度も上がらなかった場合、1,229万円を余分に払うことになります。 毎月では38,366円です。

この記事では、この金額を便宜上「保険料」と呼びます。住宅ローンの正式な用語ではありません。 「金利が上がるリスクを手放すために払う対価」という意味で、分かりやすさのために使っています。何に対する対価なのかを次に見ます。

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自分の残債と金利で、借り換えを試算する

残債・金利・残り期間を入れ、借換イベントで実行年・借換後の金利・諸費用を指定すると、総返済額と毎月返済額がどう変わるか確認できます。変動が上がるシナリオも金利を段階的に設定して比較でき、教育費や老後資金と同じ画面で「その月額を払い続けられるか」まで見られます。

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変動がどこまで上がれば、固定のほうが安くなるか

変動の行き先 変動のまま 固定3.83% 差
上がらない(1.30%のまま) 3,515万円 4,744万円 +1,229万円
5年で2.5% 3,939万円 4,744万円 +805万円
5年で3.0% 4,126万円 4,744万円 +619万円
5年で3.5% 4,318万円 4,744万円 +427万円
5年で4.0% 4,515万円 4,744万円 +229万円
10年で4.0% 4,315万円 4,744万円 +429万円

損益分岐は「変動が5年かけて約4.56%まで上がる」場合でした。

現在の政策金利は1.25%です(2026年9月18日に0.25ポイント引き上げ)。変動1.30%が4.56%になるには、政策金利が3ポイント以上上がる必要があります。

この借り換えが「守る」もの

ただし、損益分岐だけで判断する話ではありません。固定にするのは、上がったときに払えなくなる事態を避けるためだからです。

5年後(残債2,475万円・残り20年)に変動がその金利だった場合の月額です。

5年後の変動金利 その時点の月額 現在からの増加
1.3% 117,182円 ±0円
2.5% 131,168円 +13,986円
3.0% 137,281円 +20,098円
4.0% 150,000円 +32,817円
4.56% 157,404円 +40,222円
5.0% 163,360円 +46,178円

ここで気づくことがあります。

固定に借り換えた場合の月額155,549円は、変動が4.56%まで上がったときの157,404円とほぼ同じです。

つまり借り換えとは、変動が4.5%まで上がった世界の支払いを、今日から始めるということです。

言い換えると、判断すべきなのは「得か損か」ではありません。月15.5万円を25年間払い続けられるか、そして変動のまま月15万円に上がったときに払えるか、この2つです。前者が払えて後者が払えないなら、借り換えには意味があります。両方払えるなら、保険料1,229万円は高くつきます。

手数料の型で61万円変わります

同じ借り換えでも、事務手数料の型で結果が動きます。

手数料の型 総返済(諸費用込) 保険料
定率型 2.2%(諸費用78万円) 4,744万円 +1,229万円
定額型(諸費用17.5万円) 4,684万円 +1,168万円

61万円の差です。 定率型は借入額に比例するため、残債が大きいほど重くなります。借り換え先を選ぶときは、金利だけでなく手数料の型も並べて比べてください。

崩れる条件

  • 変動金利の将来はシナリオであり、予測ではありません。 上記の数字は「もしこうなったら」の計算です
  • 実際の変動金利には5年ルール(5年間は返済額を据え置く)と125%ルール(見直し時の増額上限1.25倍)があります。 この試算は見直しのたびに月額を再計算しています。5年ルールは利息の先送り(未払利息)なので、総額では試算より増える場合があります
  • 借り換えには団信の加入が必要です。 健康状態によっては借り換えられません。この審査は金利より先に確認してください
  • 固定にすると、以後に金利が下がっても恩恵を受けられません
  • 残債・残期間が小さいほど諸費用の重みが増します。 残債1,000万円・残り10年では、諸費用78万円が総返済の7%前後を占めます
  • 住宅ローン控除は借り換えても引き継げますが、借換額が当初の残債を超える部分は対象外です。本試算では控除を考慮していません

計算方法について

本記事の数値は、月次で1回ずつ償却を回した厳密計算によるものです。年単位の概算では完済月の端数処理で誤差が出るため、月次に統一しました。

みらいコンパスで自分の数字を入れる

この試算は、残債・金利・残り期間を自分の条件に置き換えて再現できます。

  1. ライフイベントの「住居計画」で持ち家を選びます
  2. 現在の残債・金利・残り期間を入れます
  3. 借換イベントを追加し、実行年・借換後の金利・諸費用を指定します
  4. 借り換えありとなしで、総返済額と毎月返済額を見比べます
  5. 変動のままのシナリオは、借換イベントの金利を段階的に上げる形で表現できます

5番が、この記事でいちばん結果を分けた項目です。 変動がどこまで上がるかの想定次第で答えが変わるので、1つの数字ではなく複数のシナリオで見てください。

住宅ローンだけでなく教育費や老後資金も同じ画面に入れておくと、「月15.5万円を25年払い続けられるか」を家計全体で確認できます。借り換えの判断で本当に効くのはそこです。

この試算が当てはまらない人

  • 元金均等返済の場合(本記事は元利均等返済が前提です)
  • 固定金利期間選択型で、期間終了後の金利が未確定の場合
  • 残債が少なく、残り期間が10年を切っている場合(諸費用の比重が大きく、別の計算が必要です)

前提が変われば答えも変わります。自分の残債・金利・残り期間で引き直してみてください。

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