「世帯年収1,000万・子なし・賃貸」45歳FIREは可能か?

CASE 04 ・ DINKs FIRE

「世帯年収1,000万・子なし・賃貸」
45歳FIRE は本当に可能か?

共働きDINKs・月42.8〜54.7万の生活費・貯蓄1,358万からスタート。結論から言うと、45歳での完全リタイアには届きません。では何歳なら届くのか——家計調査の実測値を使い、公的年金を反映して95歳まで取り崩しをシミュレーションしました。

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PROFILE

このケースの前提

大都市在住・子なし予定の夫婦2人世帯。数値はすべて家計調査(総務省)2025年の実測値に紐づけています。

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夫35歳・妻35歳 / 共働きDINKs

夫婦ともに会社員(各年収500万円)。国税庁の平均給与478万円とほぼ同水準

世帯年収

1,000万円各500万円の共働き

手取り

約806万税・社保19.4%控除後

金融資産

1,358万円家計調査 30代の貯蓄水準

生活費

月42.8〜54.7万円年513.7〜656.6万(家賃込み)

住居

賃貸 家賃8.2〜15万統計平均8.2万/都市部2LDK 12〜15万

負債

なし奨学金完済済み

子ども

予定なしDINKs継続

退職金

試算に含めず早期退職では減額されるため

SIMULATION SUMMARY

結論:45歳での完全リタイアには届きません。
資産が95歳まで持つ最短の退職年齢は 57〜67歳

年149〜331万
年間の貯蓄・投資可能額(家賃と生活費の水準による)
2,103〜3,783万
45歳時点の資産見込み(現在価値)
1.09〜1.63億
45歳で完全リタイアするのに必要な資産
57〜67歳
資産が95歳まで持つ最短の退職年齢

試算の前提:名目利回り4%・インフレ率2%(実質=現在価値で表示)・公的年金を反映(マクロスライドにより実質0.9%/年の目減りを見込む)・老後の生活費は家計調査の無職世帯の実測カーブで減衰(60〜64歳=100→85歳81.4)・取り崩しは95歳まで年ごとにシミュレーション。生活費は家計調査(総務省)2025年の実測値から住居費と教育費を除いて3水準(節約型/標準型/ゆとり型)で再構成し、家賃は統計平均8.15万と都市部2LDKの12万・15万を併記しています。家賃をいくらに置くかで退職年齢は最大5年、生活費の水準でさらに最大6年動きます。介護が必要になった場合、退職年齢はほとんど動きませんが、残る資産は大きく減ります(在宅介護を5年受けると95歳時点の残高が1,816万円から626万円へ)。本ケースは実在の個人ではなくモデルケースです。

SERIES

5つのステップで読み解く

現状把握 → 支出最適化 → 非課税枠 → リスク → 最終プランの順に深掘りします。

EP1

現状把握:45歳FIREは届くのか

45歳の資産見込みは2,103〜3,783万、必要な額は1億943万〜1億6,293万。利回りを上げても届かない理由と、計算を狂わせやすい5つの点。

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EP2

支出最適化:退職年齢を決める3つのレバー

暮らし方で5〜6年、住む場所で4〜5年、運用で4〜5年。効き方はほぼ同じで、違うのは「いつ選べるか」。生涯家賃は5,868万〜1億800万円。

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EP3

非課税枠:NISAの枠は何年で埋まるか

夫婦の生涯枠3,600万円が埋まるまで11〜24年。年間枠720万円に対し入れられるのは最大331万円で、制約は枠ではなく入れる金額のほうでした。

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EP4

リスク:退職直後の暴落は18年縮める

95歳まで持つはずの資産が30%下落で77歳に尽きます。耐えるには3年長く働く必要がありました。制度変更と介護の効き方も。

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EP5

最終プラン:セミリタイアで動くのは0〜2年

週2〜3日に変えても抜けられる年齢はほとんど動きません。フルタイム1年の価値がセミリタイア1年の約4.5倍あるため。シリーズのまとめも。

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番外

持ち家にすると、リタイアは何年遅れるか

5,882万円の新築マンションを買うと完全リタイアは3〜5年遅れました。ただし原因は3.83%の金利ではなく、完済後も終わらない管理費・修繕積立金・固定資産税。変動金利4シナリオも。

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FAQ

DINKs FIRE のよくある疑問

「4%ルール」は日本でもそのまま使える?
米国発の経験則で、そもそも30年間の取り崩しを想定したものです。50歳前後で退職すると40年以上になるため、前提が合いません。また4%ルールは公的年金を考慮しないため、必要資産を大きく過大評価します。本ケースでは4%ルールを使わず、公的年金を反映したうえで95歳まで1年ずつ取り崩しをシミュレーションして判定しています。
リタイア後、健康保険と年金はどうなる?
退職すると国民健康保険+国民年金に切り替わります。2026年度(令和8年度)の実額で計算すると、国民年金は月17,920円×2人=年43.0万円(60歳まで納付)、国民健康保険は東京23区の均等割(医療65,200円+介護17,800円+子ども支援金1,800円)×2人で年17.0万円、住民税の均等割が年1.0万円です。合計で年61.0万円が固定費として上乗せされます(60歳以降は国民年金の納付が終わるため年18.0万円)。なお国保の所得割は、源泉徴収ありの特定口座で確定申告をしない場合は算定対象になりませんが、確定申告をすると上乗せされます。
45歳でリタイアして、残り50年以上 “退屈しない” の?
多くのFIRE経験者が語る最大の盲点です。本ケースでは完全リタイアではなく、「やりたい仕事だけ月10〜15万稼ぐセミリタイア案」も EP5 で並列検討します。お金より「毎日の予定」をどう設計するかが、FIRE成功の分かれ目です。
リタイア直後に暴落が来たら詰む?
いわゆる「シーケンスリスク」で、FIRE最大級の落とし穴です。対策は ①現金2〜3年分をバッファに ②リタイア前後5年は取り崩しを保守的に ③下落時は支出を10〜15%絞れる柔軟性、の3点セット。EP4 で具体的な数字を出します。
円安・インフレで計画が狂わない?
円安・インフレこそ「資産を外貨建て(米国株・全世界株)で持つ」最大の理由です。本ケースでは新NISAも外国株インデックス中心で運用する前提で試算しています。円だけで持つと、いま1億あっても30年後の購買力は大きく目減りします。
子どもができたら計画はどうなる?
子1人で教育費1,000〜1,500万(国公立〜私立文系想定)が追加され、本ケースの前提は成立しなくなります。FIRE時期は5〜8年後ろ倒しになります。みらいコンパスでは「子どもが生まれた場合」のシナリオ分岐を保存できるので、両シナリオを比較しながら準備するのが現実的です。

あなたの家計でも試算できます

みらいコンパスなら、年収・支出・資産を入力するだけで、FIRE到達年齢と95歳までの資産推移をシミュレーションできます。生活費がまだ曖昧な場合は、先に家計コンパスで支出を整理してから試算できます。